- 開催概要
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セミナー名
経営者・幹部の戦略財務・会計セミナー
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開催日程
2022年10月18日(火)~19日(水)
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開催場所
日本能率協会研修室
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セミナー名
今回のJMAトップマネジメント研修の講演レポートは、「経営者・幹部の戦略財務・会計セミナー」の冒頭で開講される「企業存続のための前提条件」をお届けします。経営者・役員にとって、「企業は何のために存続するのか?」「企業価値とは何か?」といった問いは、本質的かつ刺激的です。
日本能率協会が開催するトップマネジメントセミナーの特徴は、時代に即した経営理論をふまえたプログラムであり、体系的・実践的であることです。このセミナーの講師は、Yasuda & Co.代表の安田和裕氏。FPリンク証券株式会社代表取締役社長、丸紅株式会社為替証券部長、丸紅米国会社CFO、アイ・シグマ・キャピタル株式会社代表取締役社長などを歴任しており、新規事業立ち上げやM&Aの豊富な経験に裏打ちされた経営戦略理論を学べます。
「重要なステークホルダーは?」
「企業存続のための前提条件」を考えるうえで、重要になるのは「会社は誰のものか」という視点です。セミナーの最初の問いは、「ステークホルダーを経営上重要な順に並べてみよ」。従業員、銀行、顧客、社会、株主、経営者、取引先…多くの経営者が最初に思い浮かべるのは、売上に直結する「顧客」や、利益を還元すべき「株主」の存在でしょう。
この講義では、2019年にアメリカの経営団体「ビジネス・ラウンドテーブル」が宣言した「株主第一主義の見直し」を糸口として、企業が重視すべきステークホルダーとめざすべき価値について、体系的に整理していきます。国連責任投資原則(SRI)やESGが提唱された背景、欧米の動向、ESGとSDGsの関係について、さまざまな事象とともに解説。SDGsの17のゴールを、経済・社会・自然資本といったESGベースの考え方で整理されると、納得感があります。
存在意義と戦略の一貫性をもたらす「企業理念」
サスティナビリティが重視されるようになり、あらゆるステークホルダーを考慮した経営がなされるべきという説明の後、コーポレートガバナンスコードとスチュワードシップコードの成り立ちを説明。「日本経済を成長させるためには、企業の成長を促して、中期的な企業価値を向上させる必要がある」というコーポレートガバナンスコード導入の背景を語る言葉をきっかけに、企業理念と経営戦略の重要性にシフトしていきます。
「全社戦略が事業部門の戦略の寄せ集めで、しかも企業理念があやふやだといまくいかなくなる」。利益至上主義から脱却し、さまざまなステークホルダーに対する価値創造を推進していく経営に変えるとなると、全社戦略、部門戦略、機能戦略に一貫性を与える企業理念が重要になります。
「何をする会社なのか」「どうやって社会貢献をするのか」。存在意義と社会価値の明確化がいかに大事かを学ぶと、講義は「財務諸表の基本」という実務的なプログラムに移っていきます。
経営財務から企業価値創造、事業投資まで網羅
財務諸表の基本といっても、ただの座学ではありません。「資産とは」「キャッシュフローとは」「国際財務報告基準(IFRS)の考え方に基づく利益とは」。損益計算書やキャッシュフロー計算書における重要項目について、実際の数字を用いて考え方を提示する実践的な講義です。日本企業の減損事例を紹介しながら、資産の価値とリスクの公正な評価や、必要な自己資本の準備の重要性が語られるパートは、経営者や役員なら必須で押さえておきたい内容でしょう。
「企業存続のための前提条件」から始まった1日目は、「財務諸表の基本」「経営に不可欠な簿記」「財務の健全性」「資本のコスト」といった経営財務に関する基礎知識とケーススタディ。2日目は、「企業価値とは」「事業部門の評価と管理」に加えて、安田先生の経験から導き出されたノウハウにも触れられる「事業投資とM&A」「投資ファンド」「リスクヘッジ」といったプログラムが用意されています。
経営者ゲスト講演と情報交換会も好評
JMAトップマネジメント研修は、自ら考える時間が多い講義はもちろん、経営者のゲスト講演や受講者同士の情報交換会も好評です。参加者からは、「実務面をフォローした内容は大変ありがたかった」「日頃は財務・会計に関わっていなくても経営視点を養うことができ、実習もよかった」「財務・会計のセミナーに参加してきたが、経営上重要な理由や活用法を学べたのは初めて」「豊富なキャリアと経験がある講師は説得力があった」という声をいただいています。
経営者として押さえるべき財務・会計を学びたい方、サスティナブル経営など最先端の経営の視点を身に付けたい方、経営者・役員同士のネットワークを広げたい方は、JMAトップマネジメント研修のセミナー情報ページをご確認ください。