取締役の新時代視点と意思決定力強化セミナー

本セミナーの目的とねらい「失われた30年」は本当なのか?

バブル崩壊後、自信を失った多くの日本企業は欧米流の「カタカナ」経営手法を無条件に導入してきたが、残念ながら取り組みの多くが成功したとは言い難い。一方で、日本経済が困難な時期にも経営努力を続け、イノベーションを生み出し、発展した企業もある。これらの企業にとっては「失われた30年」ではなく、「成長の30年」だったわけである。 

 

日本の歴史と文化、特性に基づく「日本的経営」が、戦後日本の工業化と経済成長を強力に推進したことは、ジェームス・C・アベグレンが1958年に著書『日本の経営』で指摘したとおりだ。それ以来、日本と世界を取り巻く経済状況、産業構造は日進月歩で変化している。社会も、人々の考え方も、かつてとは大きく違う。破壊的なイノベーションと社会構造の変化に取り残され、日本企業の強みは衰退し、日本的経営は失われているのだろうか。

 

「問題があるからといって、欧米型のビジネス・モデルに近づける方向で改革を進めることが解決策になるとは思えない」と、アベグレンは66年前、すでに看破していたのだ。

 

変わりゆく企業社会の中で、われわれ自身が自身をもって果敢に行動するためには、自らを見つめ、ものごとの本質を見極める必要がある。われわれはどこから来て、どこへ向かうのか。これからのマネジメント、人と組織をどうかたちづくるべきか。真の、そして新しい、「シン・日本的経営」とは何か。本セミナーで考察するリーダーシップの姿を活用していただきたい。 

 

セミナー概要

セミナー名
取締役の新時代視点と意思決定力強化セミナー
会 場
東京都内(予定)
会 期
2日間 通い
  • 1日目

    2024年10月10日[木]

  • 2日目

    2024年11月29日[金]

定 員
対 象
取締役、執行役・執行役員
受講料
  • 日本能率協会 会員

    早期料金 (2024年5月31日まで)550,000円(1名/税込)
    通常料金 (2024年6月1日より) 660,000円(1名/税込)

  • 会員外

    早期料金 (2024年5月31日まで)660,000円(1名/税込)
    通常料金 (2024年6月1日より) 770,000円(1名/税込)

プログラム

1日目
9:30

オリエンテーション

「“失われた30年”は本当なのか?」 

講義・議論

講義を受け、各参加者の考え・立場を明確にし、議論を行います。

<概要>
日本経済全体をマクロ的に概観すれば、バブル景気の崩壊に始まりGDPの成長が長期にわたって止まり、株式市場も低迷を続けたという意味で“失われた30年”は確かに残念な歴史の事実です。しかし、個々の企業をミクロ的に観察すると繁栄の30年を築いた歴史と伝統を持つ企業が存在することも事実です。三河のトヨタから世界のトヨタへ飛躍したトヨタ自動車を筆頭にダイキン工業、大和ハウス、信越化学、テルモ、中外製薬、りそな銀行、など素晴らしい成果を上げた企業が存在します。私達はこのような繁栄した企業に焦点を当て、その理由を正しく知る必要があります。

「海外企業と日本企業の比較」 

講義・議論

講義を受け、各参加者の考え・立場を明確にし、議論を行います。

<概要>
では海外の企業は皆、繁栄を謳歌したのか。答えはNOです。この30年間で大きな成長を実現したのは米国GAFAや中国のBATHという名称で呼ばれるごく一部の企業です。米国株の高騰が言われますが、時価総額が爆発的に成長したのはGAFA的な新興企業であり、歴史を持つ伝統企業の時価総額は多くの日本企業と同様に低迷を続けています。欧州の企業も一部の例外はありますが同様に低迷しています。そうした意味で“失われた30年”は日本企業に固有の現象でなく世界の多くの伝統企業が経験していることです。私達は日本企業だけが取り残されたと誤解し、過度に自信を失う必要はありません。

「成長を続けた日本企業の特徴」

講義・議論

講義を受け、各参加者の考え・立場を明確にし、議論を行います。

<概要>
一言で言えば日本企業らしさを貫いたことです。2000年頃から始まった悪しきコーポレートガバナンスの流行の罠に嵌まらなかったことです。悪しきコーポレートガバナンスとは米国で始まった株主至上主義に基づく短期利益の追求です。多くの日本企業がこの流行に飲み込まれ、翻弄されてしまいました。一方、繁栄した伝統企業には「選択と集中」、「社員のリストラ」を拒否し、人を基軸とするボトムアップの企業運営という成長の王道を愚直に歩み続けたという共通の特徴があります。彼らは長期の視点で事業を創り、事業を育てることに邁進したのです。

経営者・ゲスト講演Ⅰ

「りそなの構造改革と経営者の役割」

講演+対話

<概要>
りそな銀行は2003年以降、3兆円の公的資金が投入され会社の消滅の危機に瀕しました。しかし、JR東日本から転籍し、社長になられた細谷英二氏がりそな銀行の奇跡の復活の青写真を描き、今回登壇される東和浩氏を含む多くのリーダーが人と企業文化の構造改革を成し遂げます。顧客の質と量を成長させるため、第一線でオペレーションを担う現場社員のモチベーションと力量を高め、経営者は彼らの活動を後ろから支えるという役割を果たされました。りそな銀行の社長・会長を歴任され、素晴らしいリーダーシップを発揮された東氏のお話をお伺いします。

 

東 和浩氏

東 和浩 氏
株式会社りそなホールディングス
シニアドバイザー

1982年 埼玉銀行(現りそな銀行)入社。2013年 りそなホールディングス 取締役兼代表執行役社長、りそな銀行 代表取締役社長 就任。2020年4月 会長就任。2022年6月よりシニアアドバイザー。
大阪商工会議所 副会頭、SOMPOホールディングス 社外取締役、本田技研工業 社外取締役、いずれも現職。

振り返り・まとめ

17:30

18:30

懇親会

2日目
9:30

経営者・ゲスト講演Ⅱ

「パナソニックの構造改革と経営者の役割」

講演+対話

<概要>
松下幸之助氏が創業したパナソニック(旧・松下電器産業)は日本の家電産業の雄として繁栄を謳歌しました。しかし、1990年代に入ると、30年に渡って成長を実現することはできず、苦闘を続けてきました。パナソニックは「製品を作る前に人を作る」を信条に苦闘を続けてきました。パナソニックの祖業である家電事業は4兆円の事業を維持しています。日立製作所、東芝、シャープなどの他のメーカーの家電事業は消滅しています。パナソニックは今、守勢から攻勢に転じています。その先陣を切っているのが中国総代表として活躍される本間哲朗氏です。今回はパナソニックが「中国からパナソニックのグローバル化を復活する」というスローガンの基に、グローバルサウスの発展に貢献する家電産業の世界をどのように展望されているか、お話を伺います。(今、中国に対して短期的な地政学的視点で否定的に考え、行動する潮流がありますが、その結果、中国への関心を失うことがあってはなりません。中国は自動車産業、IT産業、生活産業のイノベータです。米国との親密な関係の歴史は第二次世界大戦が終わってからの僅か70年間、これに対して中国との関係には数千年を超える悠久の歴史があります)

 

本間 哲朗氏

本間 哲朗 氏
パナソニックホールディングス株式会社
代表取締役/副社長執行役員

1985年4月 松下電器産業株式会社(現パナソニック株式会社)入社
2012年6月 経営企画グループマネージャー
2013年10月 役員に就任
2015年4月 常務役員に就任
アプライアンス社 社長
2015年6月 常務取締役に就任
2016年4月 専務取締役に就任
2017年6月 専務執行役員に就任
2019年4月 中国・北東アジア社 社長
2019年6月 代表取締役に就任(現)
2020年4月 パナソニック チャイナ(有) 会長(現)
2021年4月 副社長執行役員に就任(現)
2021年10月 オペレーショナルエクセレンス社 パナソニック オペレーショナルエクセレンス中国・北東アジア社 社長
2022年4月 グループ中国・北東アジア総代表(現)
パナソニック オペレーショナルエクセレンス(株) パナソニック オペレーショナルエクセレンス中国・北東アジア社 社長(現)

「変えるべきもの、残すべきものは何か」

講義・議論

講義を受け、各参加者の考え・立場を明確にし、議論を行います。
<概要>
残すべきものは「人を基軸にする成長」、変えるべきものは「米国型の悪しきコーポレートガバナンス経営」です。短期指向を促す3年ごとの中期経営計画の策定、過度な株主迎合(①短期の財務業績を偏重することによる社員への精神的な圧力、②戦略的事業ポートフォーリオの入れ替え、③無理な配当や自社株買い、④時価総額増大の目的化、⑤いわゆるプロ経営者の外部からの招聘)と考えます。

「自身の役割は何か」

講義・議論

講義を受け、各参加者の考え・立場を明確にし、議論を行います。
<概要>
皆様の役割は「人を基軸にする成長」をスローガンに止めるのでなく、実践することです。具体的には①経営者でなく事業家を目指す、②日本企業の成長力のエンジンであった課長力を復活する、③女性管理職の向上という形式的な目標でなく、男性にない女性の適性を徹底的に活用する、④世界で起きている真実を自分の目で探る、⑤デジタル戦略でなくデジタル化する世界に合った戦略を考える、⑥オフィスを出て街を歩く、そして最後に⑦Saty Hangry Stay Foolish (大きな野心を抱き、愚直に行動する)の七つを肝に銘じて下さい。

「構造改革の推進者としての覚悟」

発表

企業を成長させることに邁進する自身の覚悟を発表いただきます。
<概要>
構造改革は悪しき米国型経営の事業構造改革やその結果としてのリストラではありません。これからもアクティビストを含む株主からの圧力は高まると思います。皆様には彼らの圧力を柳の葉のように柔らかく受け止め、社員の活力を解放し、顧客にとって価値を創造するという志の旗印を高く打ち立て、企業を成長させることに邁進する覚悟を決めて頂きたく存じます。スイスを代表する世界企業であるネスレは四半期決算の公表を求めるNYやロンドンの株式市場から撤退しました。1887年に創業された米国を代表する超一流の伝統企業であるジョンソン・アンド・ジョンソンには有名な「我が信条 Credo」がありますが、その真髄は「顧客・患者」「社員」「パートナー」、最後に「株主」という重要度の順番を明確にしていることです。良い意味で株主を軽視することが結果的に株主に大きなリターンをもたらすという黄金法則を信じたいと思います。過去、61年に渡り増配を続け、2014年12月期の売上は880億ドル、営業利益は290億ドルを見込み、直近のROEは48%を越える驚異的な実績になっています。その原動力は徹底した小事業部制(日本では松下幸之助氏が採用し、松下電器を大発展させたアプローチです)の活用とそれを支える第一線の事業リーダー達の力量と活力にあります。

振り返り・まとめ

17:30

18:30

懇親会

全体コーディネータ

※敬称略

綱島 邦夫氏

綱島 邦夫 コーン・フェリー・ジャパン・シニアクライアントパートナー
経営力研究所コンサルタント
ペンシルベニア大学ウォートンスクール
Executive Education Board 理事

慶應義塾大学経済学部卒業、米国ペンシルベニア大学ウォートンスクール卒業(MBA)。野村證券で営業部門、企画部門の業務に従事した後、マッキンゼー・アンド・カンパニーNY事務所に入社。国内外の様々な企業の戦略策定にかかわるコンサルティングを行う。マッキンゼー卒業後は、ラッセルレイノルズ、CSC(Computer Science Corporation) インデクス日本支社長を歴任し、アーサー・D・リトル、ヘイ・グループに顧問として参加。
現在は日本の大企業の成長力の復活のためのミドルマネジャーのエネルギーの解放と新しい企業リーダー像の実現のための活動を精力的に行っている。
又、ウォートンスクールが米国で展開し、米国以外の世界では日本で初めて導入する「女性幹部育成プログラム」のアドバイザーを務める。
『成功の復讐』『社員力革命』『エグゼクティブの悪い癖』『役員になる課長の仕事力』『事業を創る人事』『強靭な組織を創る経営』『ジョブ型と課長の仕事』『日本の大企業 成長の10法則』『マネジャーの仕事100の基本』など多数の出版を行う。

経営者・ゲスト講師

※敬称略

1日目10月10日(木)

東 和浩氏
東 和浩 株式会社りそなホールディングス
シニアアドバイザー

2日目11月29日(金)

本間 哲朗氏
本間 哲朗 パナソニック ホールディングス株式会社
代表取締役/副社長執行役員